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昔は画家が片手間に行っていた壁画修復作業ですが、今日ではひとつの研究分野として確立され、修復技術のみならず、美術史学、建築学、化学など色々な事を学ばなくてはなりません。ですから、修復家に弟子入りして職人技術を学び、この世界に入って行くという工房制は大きく変化しました。 フィレンツェでは、1966年に起きたアルノ川の大洪水をきっかけに近代修復の観念が生まれました。数えきれない美術作品がダメージを受けたのですが、その作品を修復出来る修復家の数が足らず、一斉に修復教育機関が整備されていきました。 長い歴史の中で、イタリアでは時代の流行や好みの変化に伴って、画家や修復家がオリジナルの絵を描き変えるということが頻繁に行われてきました。しかし、近代修復では修復家が本来の作品を尊重するという立場から、過去の修復家の過ちを正したり、出来る限りもとの作品に主観的解釈を加えず客観的・科学的な立場から芸術作品を守り、現状維持を心がけて後世に伝えるという目的を持つようになりました。 各分野の修復を学ぶ機関というのは沢山あります。ローマやフィレンツェには国立の修復研究機関直属の学校があり、整った環境と優秀な教員に囲まれて学ぶ事が出来ます。 また私立の専門学校も多数あり、基本的な修復に関する知識を得るには十分なカリキュラムが組まれています。そして、近年には大学でも修復専攻学部が設置されだし、卒業すると学位も取得できるようになりました。 ここ数年の間、イタリアでは修復家に対する法律が目まぐるしく変化し続けています。修復家には専門家として資格や等級というものが設置されており、そのレベルによって介入できる仕事が変わってきます。法律の変化は、この個人が持つ修復家レベルに影響を及ぼし、ちょっとした混乱が起きてるいるのが現状です。現段階では、今後の展開についてはっきりとした事はいえませんが、国立の修復研究機関直属の学校ですら資格という面で疑問が持たれている今日、確実なのは大学に入り学位を取得することでしょう。 ここまでは、資格に着目して書いてきましたが、ここからは教育機関を出てからの状況についてお話します。 イタリアの壁画修復家の多くは、会社などがほとんど存在しないため、個人で活動しているのが普通です。では、共同作業が多い壁画修復をどのように行うのかというと、それは横の繋がりによって成り立っています。 ひとりの修復家が新しい仕事を請け負い、その仕事に数名必要だとします。すると自分が信用できると思える修復家に連絡を入れ、チームを結成していくのです。ですから、常に周りから評価してもらえるようなレベルの仕事を続けていく事が、後々の仕事に影響を及ぼしていくと言えます。 最後になりますが、外国人にとって大きな壁になってくるのが語学力です。学校で学ぶにも、仕事をしていくにも、ある程度のレベルのイタリア語語学力が必要となってきます。専門用語などが次々に出てくる修復学校の授業について行くためには、一定レベルの語学能力を身につけておく必要があります。
by affresco-bastioni
| 2006-02-26 01:00
| イタリア壁画修復事情
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