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現在は国立フィレンツェ修復研究所 "Opificio delle Pietre Dure" が行なっている、ピッティ宮殿 (Palazzo Pitti) 内 "Sala di Marte" の天井に描かれたピエトロ・ダ・コルトーナ "Pietro da Cortona" (1596 - 1669) のフレスコ画修復プロジェクトに参加しています。Pietro da Cortonaはイタリアのバロック期に活躍した画家で主にローマを中心に活躍していたのですが、トスカーナ大公からの依頼で1637年〜1647年の10年間フィレンツェに滞在し、このピッティ宮殿の装飾作業を行ないました。このSala di Marteの他にも "Sala di Giove" や "Sala di Apollo" を始め数多くの作品が残っており、彼の弟子であるCiro Ferri の作品と共に(この2人が一緒に手掛けたとされる作品もあります)この荘厳たるピッティ宮殿をより華やかなものにしています。ウフィッツィ美術館やアカデミア美術館と並んで美術ファンには人気のピッティ宮殿パラティーナ美術館 "Galleria Palatina" 。お立ち寄りの際は絵画作品だけでなく、是非天井を見上げてみてください。 さて、作業ですが現在は壁画の大部分の洗浄作業も終盤に差し掛かり、壁画周りを彩る化粧漆喰の修復作業を中心に行なっています。この化粧漆喰には金箔も多く使われておりその洗浄作業、そして欠落部分の補修作業を平行して行なっているのですが、これが終われば少し残っている壁画の洗浄作業と補色作業に入る予定です。来年の2月〜3月の間に全ての修復行程を終える予定ですから、春頃には美しさを取り戻した素晴らしいフレスコ天井画をみなさんに観ていただけるのではないかと思います。 日本に比べると天井が高いヨーロッパの建築。その天井に描かれている壁画作品は、その多くが床から見上げたときに効果が発揮されるよう緻密な計算のもと描かれているケースが多いです。ここピッティ宮殿も同様、足場に登り間近で作品を観ると、特に人物などは非常に違和感を感じてしまう描かれ方をしています。しかし一度床の高さに降りて見上げてみると自然に鑑賞できる作品に変身を遂げるのです。一定距離から鑑賞することを前提に遠近法などを駆使して描かれた天井壁画。現代のように様々な器具が発達していなかった時代に、これ程完成度の高い構図を作りだすことができた当時の画家達…ただただ驚かされるばかりです。 *より多くのイメージを御覧になりたい方は、国立フィレンツェ修復研究所HPを御覧下さい。
by affresco-bastioni
| 2008-12-15 19:00
| 修復家の独り言
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