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昨年の3月25日の記事『世界の歴史的文化遺産、保存修復への活動』において、 "「文化遺産保護国際協力推進法案」が国会に提出されることが決まりました" と書いていましたが、その後どのような結果に繋がったかお話していなかったので、ここに触れたいと思います。 この法案は昨年の6月に通常国会に提出され、全会一致で成立、施行されました!!本当に喜ばしい事です。平山郁夫先生がおっしゃっていた「日本が長年かけて蓄積してきた世界最高の文化財修復技術を国際貢献に主導的に役立てる」という事が実現したと言えます。 "財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団" 発行している広報誌『絲綢之路』2007-新春 No.53の中で平山郁夫先生は、『この法律によりますと、文部科学大臣と外務大臣は文化遺産国際協力の基本方針を閣議決意して、具体的な施策を行なうように定められております。このために、国の専門機関、大学、民間の財団や研究機関が参加する「文化遺産国際協力コンソーシアム」が活動を初めています。私はこの「コンソーシアム」の代表に選ばれておりますので、今年度から予算を伴った活動を始めます。』と、述べておられます。また、昨年10月24日に東京国立博物館にて行なわれた国際シンポジウム『危機にさらされている世界遺産をどう守るか』においては、「(各国の文化遺産を)長い時間をかけて復興支援を行なうことを日本の国是にしたい。この法案制定により、今まで世界の文化遺産の支援は、外務省、文化庁、各領域の機関、各大学で別々に行なってきたが、これからはより協力しあって守っていくことができる。」と、おっしゃっていました。 この法案成立は、保存修復界において "大きな前進" と言えるでしょう。国内・海外の様々な分野のエキスパートが集結し、高い技術レベルと膨大な知識量で世界の危機にさらされている多くの文化遺産を救っていけると確信しています。また、こうした交流の場は互いの理解を深め、技術向上という面においても大きくプラスに働くことでしょう。この "文化で国際貢献" が、世界レベルでの素晴らしい成果に繋がっていくことを、一修復家として心より祈ります。 *海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律
by affresco-bastioni
| 2007-02-23 04:22
| 修復家の独り言
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