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近年、深刻な問題となっているシックハウス(病気の家)症候群。この名称は欧米で呼ばれるシックビル症候群(またはビル病) " Sick Building Syndrome ; SBS "の和略であり、日本では化学物質過敏症、室内空気汚染など様々な名称で呼ばれています。その症状とは、居住者が住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装等の使用による室内空気汚染が原因で、めまい、吐き気、頭痛、平衡感覚の失調や呼吸器疾患などいろいろな症状、体の不調を訴えるもので、今現在、多くの方々がこれらの症状に悩まされているのが現状です。 一説では1973年のオイルショック以後、住宅が省エネルギー設計で高気密になったこと、建物の建設や家具製造の際に利用される接着剤や塗料などに含まれる有機溶剤、冷暖房を長時間使用する窓を開かない生活習慣によって自然換気不足の状態となったこと、絨毯やカーペット・化学物質を多用する洋風生活スタイル、シロアリ等の害虫駆除などによる殺虫剤の影響などがシックハウス症候群をおこす原因になったのではないか?と、考えられています。現在ではその予防対策として充分な換気や居住環境の見直し、また特に近年では、これら原因物質を含まない建材や接着剤・塗料の開発に力を入れるなど様々な取り組みがなされており、建築業界でも積極的にこれらの製品を取り入れる動きがあるようです。また、現在ではシックハウス症候群予防対策(揮発性有機化合物対策・VOC対策)(VOC=Volatile Organic Compound)において、北欧が世界に先駆けて発表した基準値を日本も導入し、(この基準値は新素材を大量に使用したビル建設ラッシュ後に、オフィスに対して作られたもっとも厳しい基準という形で日本にも同じ数値が導入されたもの。しかし、北欧のオフィス稼働時間の平均値は8時間。それがそのまま24時間稼動する日本の住宅に当てはめることに困難があるのではないかと考えられている。)住宅メーカーなどはその数値厳守に力をいれているようです。しかしその一方で、この数値厳守を宣伝材料に使う現在の傾向に対し、「完全にシックハウス症候群を予防できる訳ではないのに…」と、首を傾げる人も少なくないようです。それではここで、一酸化炭素、硫黄酸化物など、既に知られている室内有害ガス成分に加えて、今まで認識されていなかった、室内空気汚染源として大きく注目を集めるガス成分を紹介しましょう。 シックハウスの代表的原因物質 ホルムアルデヒド* : 合板などの接着剤として利用されている。*発ガン性物質 トルエン : 接着剤や塗料の溶剤(揮発性溶剤)*諸外国・国際機関によっては発ガン性物質と考えられてる。 キシレン : 接着剤や塗料の溶剤(揮発性溶剤)*諸外国・国際機関によっては発ガン性物質と考えられてる。 ベンゼン : 接着剤や塗料の溶剤(揮発性溶剤)*諸外国・国際機関によっては発ガン性物質と考えられてる。 木材保存材 : 土台などの木材の防腐剤用 可塑剤 : 材料を柔らかくする薬剤。クロス、フローリングなどの加工に利用されている。 防蟻剤 : シロアリ駆除のための木材処理や土壌処理に使用されている。 *最も危険視されているホルムアルデヒドは刺激臭のある無色の気体で、35〜37%水溶液をホルマリンといいます。殺菌防腐剤として用いられるほか、ホルムアルデヒド入りの接着剤として合板やパーティクルボード等に広く使用されています。しかし、平成15年7月、改正建築基準法が施行され、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積が制限されるようになりました。ホルムアルデヒドは濃度によって人体影響が異なり、0.08 ppmあたりから臭いを感じ、3 ppmでは目や鼻に刺激が起こり、4〜5 ppmでは涙が出たり、呼吸器に不快感が生じます。50 ppm以上になると、肺炎などを起こし死亡することもあります。長期的には、発がんの可能性もあると言われています。なお、ppmとは、空気中における汚染物質等の微量な重さ(濃度)の単位で、英語のparts per million(百万分の1)の略です。 シックハウス症候群対策のひとつとして注目されているものに、フレスコ画でもお馴染みの漆喰が挙げられます。漆喰には以前にも少し触れましたが調湿性があり、室内の温度が高くなると水分を吸収し、乾燥すると逆に水分を放出する性質があり空気清浄にも繋がります。また結露防止の効果もあり、多湿、結露から生じるカビ・ダニの異常発生を防ぎます。それからイタリアを旅行された方ならご存知だと思いますが、イタリアではクーラーなどの冷房設備は整っておらず、暖房設備もパイプに熱湯を通し部屋を暖めるシステムが主流です。一見、これでは夏・冬を過ごすには不十分なのでは?と、思われる方もおられると思いますが、漆喰壁には断熱効果、保温効果に優れているという特徴もあるのです。ですから日本のように冷暖房をフル稼働させなくてもそれなりに快適な生活をする事ができるのです。(もちろん湿度や環境・文化の違いはありますが…)これは自然と省エネ効果を発揮する事となり、同時に地球温暖化防止に貢献する事へと繋がりますよね。素晴らしいっ!!これは余談になりますが、加えて耐熱効果、防音・遮音効果に優れているという特徴もあります。 フレスコ画が、制作されてから数百年の時を経てもなおその美しさを保ってこれたのには、こうした数々の長所を多く持ち合わせていたからと言っても過言ではないでしょう。このように生活空間に漆喰壁を取り入れるだけでも、かなりのシックハウス症候群対策効果が期待できるのではないでしょうか?もちろん、施行後に壁面から有機物質の放出はありません。(この事からフレスコ画も人体に悪影響を与えない優しい技材である事が御理解いただけるかと思います)。イタリアでSBSが問題視されていないという現状が、その効果を物語っています…。 参照ホームページ:愛知県衛生研究所、 株式会社福住、住まいの水先案内人、株式会社岡憲塗装
by affresco-bastioni
| 2006-11-19 08:27
| 修復家の独り言
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