最近、日本の学生の方から、イタリアで壁画修復を学ぶためには何処で学ぶのが好ましいかとの質問を受け、改めて調べる機会を得ました。
「イタリアで壁画修復家になるには」2006-02-26に「国立の修復研究機関直属の学校ですら資格という面で疑問が持たれている今日、確実なのは大学に入り学位を取得することでしょう。」と書いていましたが、大学の修復専攻学部はまだシステムが安定しておらず、修復技術を学ぶのにはまだ不十分であるということが分かりました。修復理論や分析分野のことはましなようですが…。ですから、修復技術をみっちり勉強したければ、やはり国立の修復研究機関付属の学校に入学するのが一番といえます。現在、フィレンツェの国立修復研究所は国の機関に、付属学校卒業生には大学を卒業したのと同じ学位を与えてもらえるよう申請しているようです。
イタリア人にとっては”学位”というものが将来的にとても重要な役割を果たします。その話を受けて以前の記事を書いたのですが、日本人の留学生の方にはそれほど関係のないことかもしれません。イタリアに永住して、修復プロジェクトを管理するような立場の人間を目指すのであれば大学で学位を取得することも重要かもしれませんが…。混乱するような記事を書いてしまったことを、ここに深くお詫び申し上げます。