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最近多くのフレスコ画講習に関するお問い合わせをいただいておりますが、こちらの都合で開講することができておりません。大変申し訳無く思っております。 そこで、そんなフレスコ画技法にご興味をお持ちの方々に少しでも役立てばと、新たにフレスコ画描画行程をご紹介したいと思います。前回に引き続き、ポントルモのフレスコ画作品『受胎告知』の一部をフレスコ画で描いてみましょう。ちなみにこの作品は『フレスコ画研究所 "バスティオーニ"』のロゴにもなっております。 ①イントナコを塗る 日本ではなかなか壁に直接フレスコ画を描く環境が無く、パネルなどの上に制作される方も多いかと思います。描画層となるイントナコを塗る際には、出来るだけ綺麗な表面を作りましょう。この時、鏝の上からしっかりと圧力をかけ塗ることを心掛けて下さい。剥離やひび割れの防止に繋がります。下地となる層アリッチョがある場合には、霧吹きなどでよく湿らせてから塗るようにして下さい。そうする事によりイントナコの乾燥を遅らせ、より長い制作時間を確保することができます。 ②デッサンを転写する イントナコ表面を指先で触れ、何も消石灰の白色が手に付かなければOK。スポルベロ法を使ってデッサンを転写します。あらかじめラインに沿って穴を開けておいたデッサンをイントナコの上に充てがい、その上を顔料の粉を木目の細かいガーゼなどで包んで作った「タンポ」で軽く叩いて行きます。(綿花に顔料を付けて叩いても同じ効果が得られます)穴から落ちた顔料の粉が画面に付着して行きます。 ③ラインを起こす スポルベルにより点状に画面に付着した顔料をラインで繋いで行きます。このラインが描画する際のガイドラインとなりますので、慎重に綺麗なラインを引くことを心掛けてください。 ④人肌の表現のためヴェルダッチョを施す 人物の肌に当たる部分にヴェルダッチョを施します。フレスコ画は乾くと筆のラインが浮き上がり易いので、走らせる筆の方向にも注意が必要です。 ⑤Momento d'oroに向かって イントナコ自体は乾燥すると白くなります。そのことを意識しながら色を重ねて行くことで下地を生かした透明感のある仕上がりとなります。大胆かつ丁寧に筆を走らせましょう。最初はイントナコに多くの水分が含まれていますから、画面はなかなか顔料を受け入れてくれません。一カ所にとどまらず、作品全体を平行して進めて行きましょう。数時間が経過すると『黄金の時間』と呼ばれる『モメント・ドーロ』 "Momento d'oro" が訪れます。その瞬間からイントナコの吸水性が向上し、一気に描き易くなります。それまでは思うように色が画面に乗らず不安になるかもしれませんが、『モメント・ドーロ』到来を信じて制作してください。また、フレスコ画はイントナコが乾燥するにつれ発色が変化します。簡単に言うと描いた直後に比べ色が薄くなって行きます。ある程度の経験が必要ですが、自分が思うよりも「少し濃い目かな?」というレベルに顔料を調合して描画してみてください。(制作する前に別の場所で色の変色具合をチェックしてみることをお勧めします) ⑧完成 細部などの描き込みも終え完成しました。フレスコ画は描き終えてからも1年以上の時間をかけゆっくりと炭酸塩化現象(結晶化現象)が進みます。ですから1年後には更に美しい発色となるでしょう。そしてその美しい発色は、数百年が経過しても失われることはないでしょう・・・ 何か分からない点があればフレスコ画研究所 "バスティオーニ" ホームページを通じてお気軽にご連絡ください。今年(もしくは来年)は日本でもフレスコ画講習会を企画することができればと考えております。フレスコ画にご興味をお持ちの方は是非ご参加下さい!
by affresco-bastioni
| 2012-02-06 15:30
| ブオン・フレスコ法での制作行程
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