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私達、修復家が作業を行うにあたり、もし作品が過去に修復の手を加えられていれば、その時に記録された資料がとても重要な役割を果たします。それらの資料は図書館やフィレンツェ国立修復研究所の資料機関などにいけば閲覧・コピーすることが可能です。 資料には主に、作品が修復された期間、修復前の壁画の状態、確認されたダーメジ、修復が行われた手順、使われた技材などが記されています。今日では資料作成の形式がおおよそ決められており、それに従って記録作業を進めていきます。現在、サン・ジローラモ礼拝堂でも、学生達の手によって修復作業と平行してそれらの作業が行われています。 掲載した写真は、作成したグラフィック(フレスコ画作品を正確に線でおこしたもの)にジョルナータを確認しながら記録しているところです。この作業によって作家がどのような手順で、どれほどの日数をかけて制作したのかを予想することが可能となります。現場を暗くして、ランプで斜光を当てると、壁面の起伏が浮き上がるように見えそれを見極めることができます。 この斜光での調査は、その他にも様々なことを確認できます。インチズィオーネのライン、加筆部分(状況によって確認できないこともあります)、描画層の剥離…。この作業はランプを壁面にあてて、目で確認するだけですから作品自体には何のダメージも与えません。一番手軽に行える調査研究法といえるでしょう。 通常光による写真 斜光による写真 インチズィオーネのラインが確認できます この他にも、様々な調査方法が挙げられます。赤外線・紫外線を使った調査、顔料サンプル採取による化学分析(X線によるサンプリングなしでの調査方法もありますが費用の関係などから余り行われません)、サーマルビジョンを使った調査、湿度観測、カラー・白黒写真による記録。これらについては今後、詳しく解説していきたいと思います。 グラフィックの作成や画面上で確認できるものの記録作業は修復家の大切な仕事です。しかし全ての調査を修復家がおこなうわけではありません。化学分析であれば専門機関に、赤外線やサーマルビジョンによる調査なら技術者に依頼しなくてはなりません。ただ、それらの必要性を理解しておくことはとても大切なことなのです。
by affresco-bastioni
| 2006-03-19 10:30
| 修復家の独り言
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